ニーチェ全集〈11〉善悪の彼岸 道徳の系譜 (ちくま学芸文庫)ダウンロード

ニーチェ全集〈11〉善悪の彼岸 道徳の系譜 (ちくま学芸文庫)

によって フリードリッヒ ニーチェ


3.8 5つ星のうち(10人の読者)

ニーチェ全集〈11〉善悪の彼岸 道徳の系譜 (ちくま学芸文庫)ダウンロード - 内容(「BOOK」データベースより) 大きな期待をもって世に送りだした『ツァラトゥストラ』の不評に心を痛めるニーチェ。『善悪の彼岸』は誤解と歪曲から自己の思想を救う意図をこめて、その一種の注釈書として著わされた。本書では、19世紀ヨーロッパの道徳と宗教の価値が厳しく問われ、いわゆる〈客観性〉〈歴史的感覚〉〈科学性〉〈同情〉という近代的信仰の対象物が鋭い批判のメスで解剖されている。ニーチェの哲学の円熟期を代表する重要な著作の一つである『善悪の彼岸』、その終楽章ともいうべき『道徳の系譜』の二作品を収録する。

ニーチェ全集〈11〉善悪の彼岸 道徳の系譜 (ちくま学芸文庫)の詳細

本のタイトル : ニーチェ全集〈11〉善悪の彼岸 道徳の系譜 (ちくま学芸文庫)
作者 : フリードリッヒ ニーチェ
ISBN-10 : 4480080813
発売日 : 1993/8/1
カテゴリ : 本
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「善悪の彼岸」は比較的ニーチェの一般イメージにあっている。と言うか、ニーチェの意見を精細に述べている。とりあえず引用すると、「意志の自由とは、命令をくだし、それと同時に自らをその実現者と同一視する意欲者の、あの多様な愉悦状態を表現する言葉なのだ。意欲者は、こういう実現者として、もろもろの抵抗に対する勝利を共に享受するが、しかしまた、もともと抵抗に打ち勝ったのは自己の意志そのものなのだと自ら判断する。」44p「奴隷道徳は本質的に功利道徳である。(中略)奴隷道徳によれば、<悪人>とは恐怖をかきたてるものである。ところが主人道徳によれば、恐怖を掻きたてる者また掻きたてようともする者こそが<善人>であり、反対に<わるい>人間は軽蔑すべきものとして感じられる。」309p「高貴な魂は自己にたいし畏敬の念をいだく。」338pそれで「道徳の系譜」だが、こっちはさらに面白い。古典を渉猟した上での、人間の重要事に関する分析が展開されている。どこかで似たようなものを見たと感じたが、おそらくバタイユの論述と似ているのである。ニーチェがバタイユに影響を与えているのだ。390pの、キリスト教という征服への「迂路」という論なども面白いが、第二論文がものすごく面白い。441pの神々が人類を鑑賞するゆえに決定論が否定される論。それに、「だが一切の目的、一切の効用は、或る権力への意志が権力劣弱な者を支配して、この者の上に自らの手で一個の機能の意義を刻みつけた、ということのしるしにすぎない。だから同様に、ある<事物>・ある器官・ある慣習の全歴史も、つねに新たな解釈や調整の絶えることない記号の連鎖でありうるのであって、これら解釈や調整の原因そのものは互いに関連を持つ必要はなく、むしろ場合によってはただ偶然に継起し交替するにすぎないものである。それゆえ、ある事物・ある慣習・ある器官の<発展>というものは、一つの目標に向かっての進歩なのでは決してなく、いわんや最小限の力と犠牲を払うことで達せられる一つの論理的な至短至速の進歩などではさらさらない。」453pも、言いたいことを言ってる感じがする。462pからの一連が一番凄い。人間が閉じこめられたことで良心も美意識も始まった、そして神に対する恐怖は祖先に対する債務の恐怖と通じ、無神論は負債のないことだと言うのは、どこか現代の親族崩壊と通じる。

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